一人、二人、三人っ子政策に中国の若者たちが静かなる反抗

中国で、革命ではなく「静かなる反抗」が起こっているようです。

中国は、様々な指標で世界のトップクラスにランクインする大きくて多彩な国ですが、今回は、その中でも[人口政策]に関して、静かな動きが起こっていることを取り上げたいと思います。

目次

中国の人口政策

中国の人口政策といえば[一人っ子政策]が有名ですね。

調べましたら、少なくとも1950年(約60年前)から中国は世界最大人口国だったそうです。

世界人口ランキングの資料がありました。右のリンクには棒グラフもあり見やすいです、興味のある方は開いて参考にしてください。右のリンク元から上位30か国を下のアコーディオンに格納しました(幅に制限があり、スマートフォンの場合、見る場合は横長に角度を変えてください。見づらくてごめんなさい)↓

一人っ子政策

以下にwikiの一部だけを抜粋しますが、詳しい内容を見ますと、1950年には『中華人民共和国婚姻法』が制定され、人口抑制政策が開始されていたようです。タイミングとしては、かなり早いものであったと私は感じます。

一人っ子政策-wiki

中華人民共和国における人口抑制政策。特に1979年から2014年まで実施された、一組の夫婦につき子供は一人までとする計画生育政策簡体字: 计划生育政策)。2016年からは一組の夫婦につき子ども二人までとされている(二人っ子政策)。2018年時点で91万3593ヵ所の拠点と9400万人のメンバーを持つ中国計画出産協会が取り締まっているが、二人っ子政策も廃止が検討され、2021年5月31日、中国共産党は1組の夫婦が3人目の子供を出産することを認める方針を示した。

世界最大人口の国ですから、単に自国の人口のコントロールというテーマだけでなく、全世界に対する責任も考えるでしょうし、その政策や方針の変更は非常に難しいものだと思います。

そんな状況下で、私は途中の約10年(一人っ子政策の子供が成人する前後でした)を中国に駐在して、少しは体感してきました。

私の個人的な感想は、この政策は概ね良かったと思います。強いて言うなら、「一人っ子が結婚をし、出産する人数は2人までを許可」としていたタイミング(2013年に緩和)を、もう少し、5年か10年早めても良かったのではないかと思っています。

「一人っ子政策」が長引くと、育児にかける費用が一人向けとなり、高価な衣類、食品、教育関連費が「常識化」してしまいます。

それを「人数を増やしなさい」と後で指示されても、生活水準を下げるのは、対応するのが難しくなります。そのことを中国駐在中に感じていました。

その対応が早ければ、一時的に人口は増え、デメリットもありますが、「三人育てなさい」という方針変更は必要なくなるメリットもあります。これは、結果論に過ぎないとも思いますが。

しかし、国の政策は人口以外にも多彩な分野がありますので、私個人の考えは、他の政策をもっと良くしていれば、人口政策の方針変更はそれほど重要なことではなく、国民の理解を得られたと思っています。

他の政策の波紋が三人っ子政策への反発へと影響

この時期に[三人っ子政策]で良いのでしょうか?

上のwikiの内容も既に更新されていますが、最近になって”2021年5月31日、中国共産党は1組の夫婦が3人目の子供を出産することを認める方針を示した。”ようです。

これに対して、中国の庶民、特に出産や結婚を準備する時期に当たる[若者たち]がどう反応したかを見てみますと、下に関連記事を貼りましたように、「静かなる反抗」を始めたそうです。

国民の出した答え:静かなる反抗

「私たちは家畜の豚じゃない」

ラジオフリーアジアが取材した当事者(若者たち)の声

内巻と躺平

上の「家畜の豚じゃないぞ!」という意見は、とても印象的ですね。

私から見ると、中国は現代になって、良い点も多くありますが、一方で、古代中国の良かった点を忘れ(国の指導者たちによって強制的に忘れさせられ)た所があります。

その典型的なものは、現代の中国には「上有政策、下有対策」(上[指導者層]に政策があるなら、下[庶民・民衆]には対策がある)という「権力者たちへの庶民の根強い不信感」があることです。

今回の「家畜の豚じゃない」という感情を態度で表明するときに、その「下には対策がある」という一面が出ています。

それが「内巻」と「躺平」という単語となって、「静かなる反抗」が流行し始めているそうです。

内巻/involution

もつれさせる[複雑にする]こと 《医学》加齢などによる生理的機能の退縮、退行

躺平/寝そべる-wiki

2021年に始まった人気のあるオンライン用語。
国内の景気後退と社会問題の激化の中で、現実の環境への失望から生まれたこの時期の若者を指し、「社会の期待に固執するよりも、 「横になり」、欲望も欲望もありません。」という態度。

この態度と流行には、国家指導者たちも困っているそうです。

風の時代 

上下の差別なく、それぞれが穏やかに表現し、認め合い、歩み寄る時代

これは、単に[人口政策の度重なる変更]に対する反感ではなく、様々な他の政策(そして政策には無策や国が行うべき危機対応の遅れも含んでいるものです)が国民にもたらす「無力感や国と国民との距離感」が大きく影響していると感じます。

中国の庶民、特に若者たちがこのような形で、意思表示をし始めることは、とても良いことだと感じます。

もちろん、昔に発生した大きな事件のような事態に発展し、多くの人命や健康に被害がでることは決して望みません。

でも、私が中国の現地で見てきました2000年前後から、すでに中国の民衆は、あまりにも長く表現の自由を抑圧され、そして耐えてきました。

もうそろそろ、多くの人たちが自分たちの抑圧され、忍耐してきた気持ちを表現しても良いタイミングだと思います!

私は決して中国の民衆へ反乱を煽るつもりはありませんが、長い期間観察してきた立場として、今回の流行を励ましたいと思っています!

中国国家指導者の皆さんも、大国の舵取りは非常に難しいことは想像しますが、どうか将来の中国の柱となる、結婚や出産準備時期にある若者の気持ちを国家政策に反映してあげてください、微力ながら、私は国家指導者も応援しています!

育児

【Music】レ・ミゼラブル 「民衆の歌」 🎧

Räfmät for Better Place..(礼!

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